覚せい剤に一度手を出すとなかなか止めることができません。先にも書きました薬の持つ特性がまずその理由でありますが、一度乱用仲間(グループ)に入ると、自分から抜け出し難くなるというのも原因のようです。「覚せい剤を自分一人で始めて、ずっと一人でやっている」という人がいないとは言いませんが、そんな人はごく稀です。「友達に誘われて」「会社の同僚に誘われて」というのが一般的です。この場合、乱用が進んでくるにつれ関係者との薬の関係も深まっていきます。相手の性格や相性など全く関係なく、誰にも言えない秘密を共有しているという安堵感からかどんどんとその関係が進んでいくのです。そして気が付いた時には仕事や家庭、友達を全て失い、残っているのは覚せい剤とその仲間だけという状態になっています。そんな環境の中で覚せい剤を断つというのは絶対に無理です。「もし覚せい剤を止めたら友達もいなくなってしまう」という孤独に対する不安がつきまとい、自分が止めようと思った時は回りに引っ張られ、周りの者が覚せい剤を断とうとした時は自分が引っ張るという悪循環でズルズル流されてしまうのがこれら薬物の恐ろしい特徴でもあるのです。よく「覚せい剤は警察に捕まるまで止まらない」といいますが・・・ |